第十一話 HIVをもたらす”しきたり“
東南アフリカの村や集落にはそれぞれのリーダーがいて、そのリーダーがすべてを決めています。
モザンビークでは村のリーダーのおうちの前に赤い旗が立っています。
村によって色々ですが、結婚する場合に花婿さんは、やぎとか鶏をお嫁さんの家族に渡さなければいけなかったりもしてそれが用意できない場合、生まれた最初の子供はお嫁さんのお父さんや兄弟のものになります。その子供が4歳ぐらいになったら働き手として売ってしまうこともあるって聞きました。
リーダーが取り仕切って裁判のようなものもしっかりある村もあるようで、離婚もあります。(届けとかはありませんが…読み書きが出来ない人が多いのと紙代、ペン代がかかるから。)
別れた二人に子供がいる場合、毎月別れた旦那さんはファリーニャ(主食のもと)や、お砂糖と塩を渡さなければならなかったり。
旦那さん一人に10人までの奥さんが 許されていたりもするそうです。
どうして、一夫多妻が多いのかなってさりげなく村の男の人に聞くと、女の人の数が多いからだよって…。
一人の女性に、10人以上の子供たちもとても多いなって思っていましたが、大きな町では少しずつ少子化な考えかたに変わっていってます。
でも、若い女の子たちと話していたとき、子供は6人は、産みたいな。
きっとそのうち1人か2人は死んじゃうから。って。
村や小さな町では、子供は働き手になるからって考えていてあんまり子供の数が貧困に繋がるとは考えていない人も多かったように思います。
エチオピアの地方の施設に行ったときに、日曜日、管理のかたが、この地域に住む10代半ばぐらいの子供たちを30人ぐらい集めて、10代前半で子供を作ってしまうこと、HIVのこと、人生のあり方のようなことをみんなで議題を出し合って、意見出し合っていました。英語を話す男の子がいて、その子に、中絶は日本では頻繁に受けれるのか?宗教はどうなのか?眠るまえ、何に祈るのか?うまく説明できなくてかなり焦ってしまいました。
病気や病気の防ぎかた、道徳心、生きていくうえでの正しい知識のことこういう教育とても大切って思います。
前にも書いたおかしな情報とかうわさばっかりあって。HIVはコンドーム使ったからとか、悪魔に呪われたからとか。
前に書いた部族のしきたりみたいに
旦那さんが亡くなったら奥さんは旦那さんの他の兄弟の奥さんにならなくてはいけなかったり、奥さんが亡くなったら結婚していない奥さんの姉妹が旦那さんの奥さんになったりする地域はマラウイやモザンビークにもありますが、
旦那さんが亡くなってしまったらその旦那さんの兄弟に悪霊がとりつくので、その悪霊を取り払うために兄弟全員、亡くなった旦那さんの奥さんと順番に性交をするしきたりがある地域があります。
マラウイの高校生の生物の教科書見させてもらっていたら、そこにも辞めたほうがいい伝統的習慣のひとつとして書いてありました。
性交についても、一人のパートナーあるいは、重婚家庭の場合(一夫多妻)家庭内のみでの性交にしましょうって書かれていました。
でもこういったことも、HIVとか梅毒とか他の感染病につながって一夫多妻の場合、みんなにうつっちゃうし、亡くなった旦那さんの奥さんと性交をするのは、旦那さんHIVで亡くなった可能性も強いし、その奥さんもHIVになってしまっているだろうから、またHIVを広げてしまう原因の一つです。
そういうこともそうだけど単純に奥さんの立場を思うとやっぱり本当せつないです。。。
2008年6月16日 原題 「村とかのこと」