第七話 村で出会った女のコ
マラウイの南部の村、その村にいくには、近くの小さな町から自転車タクシーに乗って行くのですが、そこで、10代後半のエマンという女の子に会いました。
その子のおうちに招待してくれて、何回か遊びに行っていました。
エマンは、5ヶ月の赤ちゃんがいて、その赤ちゃんと親戚のかたとその子供たちと住んでいました。
エマンは
「マラウイのブラットタイヤ(マラウイの商業都市)に住んでいたの。でも赤ちゃん出来ちゃって、 親がとても怒って、ここにいる親戚の人と住みなさいって、赤ちゃんの父親は、今はどうしているか知らない」
って、話してくれました。
その男の子は、このかわいい赤ちゃんのこと知っているの?聞きたかったけど、なんだか聞いちゃいけない気がして聞けませんでした。
大きなお魚、釣ってくれて、火をおこしてお料理してくれて、近所の子供たちみんなで食べたり、遊びました。
エマンの親戚の子供のひとり、3歳になる女の子、すごくかわいらしいジョハネっていう子で、この村にいると子供たちが20人以上常に寄ってきて、私の手を握ろうと取り合いになります。一本の手で同時に5人の子達と手をつなぎながら歩いたりしていました。
この子も私が話しかけるとすごく嬉しそうに恥ずかしそうにしていました。
村から最後にばいばいするときに、エマンがジョハネに、
「さやか、モザンビークにいくの。だからお別れだよ」って伝えると、うぎゃーって赤ちゃんみたいに泣き出して私も本当泣きそうでした。
バイバイするとき、エマンが、
「私、間違えちゃったの。私、村はすきじゃないよ。電気も水道もないし。早く、町に帰りたい。私は、ここで、毎日、どうしていいかわからないの。私大きな間違えしちゃったの…」
突然、なんでもあった都市の生活から、なんにもない村の生活はきっと同じ国内でも大きな変化で、英語を流暢に話すエマンの会話の中からも、きっと頭が良い子なんだろうなってこともわかりました。
赤ちゃんを育てることどれだけ大変か、日本にいるお友達や、エチオピアで、まだまだ若いママたちを見ていたし、あとエマンが水を離れたところまで汲みにいって、重たいお水の入った大きなタライ、頭にのせて赤ちゃん、大きな布で自分の体に包んで背負って、暑い中、1日何往復もしていることや、お料理して、お掃除して、親戚のたくさんいる子供たちの面倒までみて、すごくたいへんなのは数日一緒に過ごしただけですが、わかっていました。
「間違えなんてしてないよ。エマン、毎日頑張っているよ。エマンお仕事たくさんだけど、こんなにかわいい赤ちゃんに出会えたよ。きっと強くて、優しい男の子になるよ」
って言うと、
「うん。ありがとう。そうだね。そうだね。私もそう思う」
って最後に笑ってくれました。
今日も、毎日たくさんの村の子供たちに囲まれて頑張っているんだろうなって思います。またいつか会いに行きたいって思います。
2007年6月4日 原題「マラウイの南部の村」